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「株式ディーラーのぶっちゃけ話」を読んで

Posted Mar 18, 2017

今日は、「株式ディーラーのぶっちゃけ話」を一気読みました。

株式ディーラーのぶっちゃけ話

電子書籍は手軽で、すぐに手に入ることもあってか、紙の本に比べて、読後に印象が残りづらい気がしていました。それを確かめようと、4冊ほど紙の本を買って、しばらく積読していたのですが、システムトレードのプログラム開発がひと段落して、時間にも気持ちにも余裕があったので、ここぞとばかり手に取ったというわけです。

今回読んだのは、4冊では唯一、トレード関係の本ですが、投資手法や理論が書いてある教科書的なものではなく、証券会社の自己売買部門で現役ディーラーとして働く筆者が、ディーラーという職業にフォーカスを当てた、ストーリー仕立ての読み物です。

読みながら、様々なことが頭に浮かんできました。

不思議な連帯感

本の中には、様々なタイプのディーラーが登場します。

何考えてるかわからないけど、ものすごく稼ぐやつ。アグレッシブなのに、どこか人情が厚いやつ。個人プレーなんだけど、同じ環境で働く者同士、なにか連帯感のようなものでつながっている、そんな感じなのかもしれません。なんとなく、同じような考えを持った個人投資家同士がツイッターでつながっているような、そんな感じと似たものを感じました。

赤木屋証券の転業と重なる

ネット証券に押され、中小証券会社はディーリング中心に稼ぐしかない、という話では、赤木屋証券を思い出しました。2013年頃、システム導入の仕事で、茅場町の証券関係の客先に常駐していたときに、赤木屋証券を知り、赤木屋珈琲には何度かコーヒーを飲みに行ったりもしていました。

この本で語られている、中小証券の危機感と赤木屋証券の転業が、自分の中で妙に重なって、赤木屋証券の転業の裏には、同じような時期があったのかと想像が膨らみました。今でこそ、アルゴリズムが市場に存在することは周知の事実ですが、まだ浸透していない状況ではディーラーは、正体のわからない何かと必死に戦っていたのかな。

この流れは、欧米も同様で、GSでもディーラーは大幅に減って、エンジニアに置き換わってる、という記事も出ていました。どれだけ稼げるかが全て、という業界だからこそ、流れが変わり始めると、その流れは加速して、一気に浸透していくのかもしれませんね。

トレード経験者なら一度はあこがれる

個人投資家のはしくれとしては、一日中トレードのことを考えたり、実際に稼いでいる人の間近で同じように仕事ができる環境は、非常に刺激的で、魅力的に映りました。この本にも書かれている通り、ディーラーという職業の

雇用されることで得られる「資金力」「損の負担なし」「世間体」

という点は、力試ししたいと思う人間には良い環境だと思うし、

担当となった商品の分析・評価に必要な知識を、先輩からリアルタイムに学べる

という点は、独学でやっている自分のような弱小投資家にしてみれば、非常に魅力的です。

残念ながらデイトレードの経験もなく、サラリーマンとして、働きながらのトレードに最適化された手法を考え続けている自分には、ディーラーとして生き残るのは、難しそうです。(笑)

面白かったのは、私にとって憧れを抱く職業の人も、個人投資家に憧れている、と書かれていたことです。

仕事を続けるほどに、投資家として最高の境地が個人投資家であることが分かってくる

やはり、私にとっては、魅力的でもディーラーとして成功した人からすれば、見えるものが違うんでしょうね。状況が変わるとともに、求める環境は変わっていく、ということを改めて感じました。

それでもやっぱり、自己売買部門のディーラーって憧れますね。個人でやっている以上、資金的なハードルも、アクセスできない情報もあったりで、苦労することばかりです。いつかは、そんな環境を手に入れたい。

さいごに

今回は、久しぶりに紙の本を手に取ってみましたが、ページ間の行き来が電子書籍よりも簡単にでき、気になることがあれば、何度でも読み返すことができました。読み終えたページと、これから読むページの、大まかな厚みを指が覚えていて、読みたいか所にすぐ飛べる感じです。

自分の場合、電子書籍でも、同じようにページを行き来する読み方ができるようになれば、紙の場合と変わらず、記憶に残せるようになるかもしれません。

まだまだ身につけなければいけないことが多いですね。

ではでは。

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※2017年投資元本に対して