イギリス移住に向けた出国準備
Posted Nov 29, 2023 | Updated Dec 20, 2023
この記事では、アラフォーの日本人男性がイギリスに移住する前に必要な準備と手続きについて書いています。 大企業の駐在員のような高待遇ではなく、会社から最低限のサポートしかしてもらえなかった夫婦の工夫を書いています。 海外移住を控えた方、海外移住に関心がある方の参考になれば嬉しいです。
Dependantビザ申請
自分のビザは、あくまでも妻のSkilled Workerビザに対する帯同ビザ(Dependant Visa)です。
帯同ビザは、メインのビザを持つ人の配偶者や子供向けのビザで、メインのビザが有効な限り滞在が許可されます。
妻のビザは取得時点で3年間、今の会社で働く限り有効なもので、逆に言えば今の会社をクビになると数週間以内に次の就職先(スポンサー)を見つけ、ビザを切り替えないと国外退去になります。
なんとか5年間粘れば永住権のチャンスがありますが、それまではリスクを抱えながらの生活になります。
いざとなれば自分も就職活動をして、二人でなんとしても5年間を達成するつもりです。
ビザの申請自体は、日系企業の駐在とは異なり、代行業社などは使えなかったので、ネットの記事とGOV.UKを参考に進めました。
婚姻関係の証明には戸籍謄本の翻訳証明付きの英訳、同居の証明には住民票の翻訳証明付きの英訳を使いました。
「翻訳証明付きの英訳」はくまざさ 英語のコンビニエント・サービスを使いました。
様々なオプションがあり迷うと思うのですが、私の場合は翻訳証明とPDF発行でOKでした。
翻訳証明は「翻訳証明なし」を試していないので効果は分かりませんが、第3者が翻訳した証明なので、あって困るものではないかとおもいます。
「第3者が翻訳した証明」というのは、自分が提出する書類を自分で翻訳した書類を受け取り側が信用できるのか?みたいなことと理解しました。
PDF発行は、スピード感を求めるために利用しました。オンラインでの提出があるため原本を受け取る前にPDFでもらえるのは速くて便利です。
公証手続(アポスティーユ/領事認証)のオプションは、翻訳証明よりも書類の信頼性を高められるのでしょうが、今回は利用しませんでした。
どこかに不要と書いてあった記憶があり、最終的には利用しませんでした。
手順に従って一通り提出・申請したあとはスッキリした気持ちで待ちましょう。ダメならやり直すだけです。
クレジットカード・金融機関整理
非常に不便さを感じたのが、クレジットカードや金融機関です。
非居住者(国内に住民票がない人)が使える証券会社や銀行は数えるほどしかありません。
じゃあ住民票残せば?となりそうですが、これがまた問題で、住民票があるということは住民税を払う必要がある、ということです。
行政サービスを受けないのに住民税を払う義理はありません。
ただ、そうすると主要な銀行は無料で使えなくなるんです。
結局、国内の銀行は非居住者でも無料で使えるソニー銀行をメインバンクに切り替えることにしました。
メインバンクを切り替えるだけなら良いのですが、ソニー銀行を引落口座にできるクレジットカードが少ないのが、次の悩みどころです。
メインのクレジットカードとして長年使ってきたアメリカン・エキスプレスもMUFGカードもソニー銀行を引落口座にできないんです。
本当に不便なことです。(言葉を選んでいます。)
ご存知の通りクレジットカードの引き落としまでタイムラグがあるので、出国までに解約はできませんでした。忘れているサブスクもあるかもしれません。
しばらくはクレジットカードも引落口座も維持しておいて、完全に引き落としがなくなったら順次解約していくしかないでしょう。
本当に不便なことです。(言葉を選んでいます。2回目。)
少しずつイギリスの金融機関に資金を移していって、そちらをメインにしていくしかないですね。
イギリスへの資金移動はソニー銀行 -> Wise -> Monzoという流れで行います。
Wiseは日本でも使える海外送金サービスで、外貨両替手数料も安く、カードも発行されるので非常に便利です。
移住当初の数週間はWiseのカードで生活費を決済して過ごしました。
BRPカードを受け取ればMonzoの口座を開けるので、その後はMonzoをメインバンクとして使います。
Monzoはイギリスのアプリだけで開設できるイギリスの正式な銀行で、Debitカードが発行されるのでWiseと同じようにイギリスポンドでの決済は簡単です。
今後は、ソニー銀行の月数回の無料振込を活用してWiseに日本円で移し、Wiseの安い手数料でイギリスポンドに両替して、Monzoに無料で送金します。
クレジットカードはあまり必要性を感じていないのですが、マイルとかポイント狙いでアメリカン・エキスプレスを作るかどうか迷ってます。
アメリカン・エキスプレスは信用情報の引き継ぎができるらしいので、それで作れるなら楽ですね。
日本の証券会社も非居住者には、原則的にサービス提供できないようです。
駐在などで5年以内に戻るならNISA口座は残せる、という情報もありますが、我が家には該当しません。
イギリスにはISAというNISAのモデルとなった制度があり、そちらを活用する予定です。
ISAは年間20,000ポンド(2023/11/29のレートで約370万円)を投資に回せる非課税枠です。
制度についての詳細は省きますが、我が家はStocks & Shares ISAとLifetime ISAを使って資産形成をしていく予定です。
株やファンドに投資できるStocks & Shares ISAは、自分はInteractive Brokers UKを使い世界中の個別銘柄に、妻の分はバンガードのETFで安定運用します。
Lifetime ISAという年間4,000ポンドまで入れられ、国から25%、つまり最大1,000ポンドボーナスがもらえる制度もあるのでこちらもフル活用する予定です。
この投資制度をうまく活用してイギリスでいつかは家を買いたいです。
引越し荷物について
我が家の場合、会社からの費用補助などもないため引越し業者の海外引越しプランなどは利用しませんでした。
すぐに使う最低限の荷物は持って行き、時間がかかっても良いものは船便で送るようにしました。
船便は3ヶ月程度かかるということなので、持って行きたいけどゆっくり待てるものという感じです。
東京の家には7年間住んでいたので、かなり物が増えていましたが、売ったり捨てて整理しました。
直近使っていなかったものでも、思い出があり少し寂しくもなりましたが、そこは断捨離の気持ちで思い切ってものを減らしました。
断捨離の結果、持っていく荷物はスーツケース3個と段ボール1個、家が決まったら両親に船便で送ってもらう段ボール3個の合計7個が引越しの荷物になりました。
持っていく荷物は、航空会社の制限で一個23kgまで、4個中2個分は超過料金を4.3万円程度を支払いました。
船便は1個30kgまでで、1個1.6万円くらいを想定していましたが、荷物の価値(中身の品物の金額)が20万円を超えると保険料などで追加料金を取られるようです。
船便用の段ボールは実家に置かせてもらって、家が決まってから父に発送してもらいました。
面倒な手続きや船便費用の支払いもありがとう。
海外転出届・マイナンバーの返納
今回は海外転出ということで、転出届とマイナンバーの返納をする必要がありました。
平日の昼間に窓口に行くだけなので、特別な手続きはありませんでした。
自分と妻の住民票(世帯)が分かれていたので、妻の分は委任状を作成して自分を代理人として手続きしました。
マイナンバーを返納したことで電子証明も使えなくなるのではないかと思い、まだ不安はあるのですが、仕方ありませんね。
免許証の期間前更新と国際免許証の発行
イギリスでは車を使う機会も多くなりそうなので、免許証の期間前更新と国際免許証の発行もやっておきました。
期間前更新で日本の免許証自体は直前の誕生日から5年間に延長されました。
国際免許証は発行から1年間が有効期限なので、どこかのタイミングでイギリスの免許に切り替える必要があります。
マイナンバーを返納してしまうと免許証が住所を証明する唯一の書類になるので、海外転出しても使える免許証は地味にありがたい。
海外住所を登録できる身分証ってないのかよ、って感じはある。
さいごに一言
海外に移住する、ということがどれだけイレギュラーなのかを実感した準備期間だった。
大手企業の駐在だとこの辺りは手厚いサポートがあるようなので、羨ましいなとも思ったり。
個人で移住を考えている人にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。