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イギリスでの資産運用:30代夫婦のISA運用方針

Posted Dec 07, 2023 | Updated Dec 07, 2023

30代、夫婦でのイギリス移住をきっかけに資産運用も見直しています。イギリスのISA制度について調べたこと、Stocks and shares ISAとLifetime ISAを使った資産形成についての考え方をまとめました。

数ヶ月前に久しぶりに株を買った話の記事で書いた通り、クラウド、自動倉庫、3D・シミュレーション関連を追加し、そのほかの防衛、ロボット、コンサルティング、ソフトウェア開発も含め約20の個別銘柄を保有していました。とはいえ個別銘柄はあくまでも補助的なものであり、運用の基本は高配当ETFであるVYMと米国債券ETFのIEFを使っていました。

イギリス移住をきっかけに改めて投資方針について書いておきたいと思いこの記事を書いています。というのも、日本ではNISAがありますが、イギリスには日本のNISAのモデルとなった「ISA」という制度があります。ISAをフル活用することを前提に投資方針を組み直す必要性から今回の見直しとなりました。

イギリスに移住することになった経緯はこちらの記事に書いています。

アラフォー男がイギリスに移住することになった理由

ISAのポイント

まずは簡単にISA制度についてを調べました。

  • 計算期間は毎年4月6日から翌年4月5日
  • 上限金額は年間20,000ポンド(2023年12月7日のレートで364万円ほど)
  • Cash ISA、Stocks and shares ISA、Innovative finance ISA、Lifetime ISAの4種がある
  • 株式やファンドにはStocks and shares ISAかLifetime ISAで投資可能
  • Lifetime ISAは年間4,000ポンドまで入金可能
  • Lifetime ISAは毎年25%(つまり最大1,000ポンド)のボーナスが政府から支給される
  • Lifetime ISAは18歳から40歳までに開始でき、50歳まで入金可能
  • Lifetime ISAは最初の家の購入、60歳以上、余命12ヶ月以内であれば引き出し可能
  • (不確実情報)上限金額は口座への入金額でカウントされるため、繰り返し売買も可能?

特にLifetime ISAは強力なので、使わない手はありません。うちは妻と二人暮らしなので合計で40,000ポンドを入金できることになります。そこでLifetime ISAに夫婦合わせて8,000ポンドを入金し、残りの32,000ポンドをStocks and shares ISAに入金することにしました。

Stocks and shares ISAの方針

Stocks and shares ISAはすでに口座を開き、入金を始めています。移住のタイミングが11月で12月からの入金になってしまったので、今年は毎月の入金額を多めにしています。

自分はInteractive Brokersのイギリス法人に口座を開設しました。当初は米国法人であるInteractive Brokers LLCから現在のポジションをそのまま移管しようと思っていましたが、移管のためには追加情報が必要となるため、面倒ですが一旦売却してポートフォリオを組み直そうと思います。Interactive Brokersは世界中の銘柄に投資できるので、自分でポートフォリオを組めるならおすすめです。まだ試していませんが、日本の会社にも投資できるかもしれません。Interactive Brokersで不便なのがDirect Debitに対応していないこととISA口座では定期購入ができないことです。

妻の口座はVanguardに開き、手数料の安いETFによるシンプル&放置を目標に運用をしていこうと思います。VanguardはVanguardのファンドのみ購入可能で個別銘柄は取引できません。一方でDirect Debitと定期購入ができるので、ETFなどによるシンプルな運用で積立しながら放置するにはピッタリです。以下のETFを使って米国株式と米国債券を6:4もしくは7:3の比率で運用しようと考えています。2つのETFに加えて、ISA入金額の2割程度はキャッシュとして残しておき、急落時の追加投資用にしておきます。

  • S&P 500 UCITS ETF - Accumulating (VUAG): S&P 500に連動するETF。Accumulating(蓄積)なので分配金を再投資されます。
  • USD Treasury Bond UCITS ETF - Accumulating (VUTA): 残存期間7〜10年の米国債券に投資するETF。こちらも再投資型。
  • 現金: VanguardのISA口座内にキャッシュとして残しておく。下落時に追加買付を行う。

分配金を出すDistributing(分配型)とAccumulating(再投資型)が設定されているのですが、投資した資金を引き出すことはしばらくないので再投資型を選びました。妻の口座は、シンプル&放置を目標にしているため、自動で再投資してくれる再投資型が合っているだろうという判断です。

上に書いたISA制度のうち、不確実情報として書いている繰り返し売買とISA入金額のカウントルールの関係が分かったら方針を転換するかもしれません。日本のNISAは入金額ではなく、取引額によるカウントなので、繰り返し売買はあまり使えませんでした。もしISAが入金額でのカウントであれば、16,000ポンドを元手にデイトレードなどの繰り返し売買でふやることも可能かもしれません。この辺りはもう少し勉強が必要ですね。

Lifetime ISAの方針

次にLifetime ISAの活用方法について整理しておきます。前述の通りLifetime ISAは入金額の25%を政府が補助、つまりボーナスとして追加してくれる制度です。入金額の上限が年間4,000ポンドなので、1,000ポンドが補助されるということです。夫婦二人で8,000ポンド入金すれば、2,000ポンド補助されます。さらにこの資金を現金、株、ファンドに投資して運用することができます。

50歳まで入金できるため、年齢を考えると10年強使えることになります。二人で年間10,000ポンド×10年として10万ポンド(約1,800万円)の資産を作れるということです。自宅の購入費にするもよし、老後の生活費にするもよしですね。

Lifetime ISAの制度は現金で運用するCash Lifetime ISA(Cash LISA)とStocks and shares Lifetime ISA(Stocks & Shares LISA)に大別できます。現在は金利が上がっているので、Cash LISAでも3%以上の金利がつきます。Cash LISAは口座維持手数料がかからない会社も多いので、それも魅力的です。一方、Stocks & Shares LISAは口座維持手数料に加え、売買手数料やファンドの運用手数料もかかるのがイマイチです。しかも政府からのボーナスが出るからか手数料が高い会社が多い。

今のような高金利が続く見込みであれば、Cash LISAでも良いかもしれませんが、面白みに欠ける気がするんですよね。サービス提供会社が提示しした金利をのむことになるので工夫の余地がないというか、夢がない。この感覚伝わるでしょうか。やはり少し手数料が高かったとしても、損をするかもしれなくても、自分で工夫して運用できるStocks & Shares LISAが良いかな、と考えています。

とはいったものの、実はこの記事を書いている12月7日時点では、口座を開設していません。Interactive BrokersとVanguardは、Lifetime ISA口座を提供しておらず、別の会社で口座を開設する必要があり、どこが良いか調べています。現時点では、AJ Bellという証券会社にしようと思っています。個別銘柄やETFの取引手数料が£9.95と高いのですが、ETFではない投資信託(OEICとかUnit trustというもの)であれば£1.50と安く押さえられそうです。ファンドを検索したところ、米国株式や国際に連動するものもありそうなのでETFと同じような使い方もできそうです。

Lifetime ISAのポートフォリオは検討の余地ありですね。Cash LISAの金利3%は超えたいところですが、Stock and shares ISAよりは低リスクで運用する、もしくは逆にLifetime ISAはボーナスが出るのだから、より高いリスクが取れるよね?という考え方もありかもしれません。面倒なので全部同じような構成にしちゃうかもしれません。この辺りは自分の中で結論が出ていません。ゆっくり考えたいと思います。

まとめ

  • ISAを夫婦二人でフル活用するため毎年40,000ポンドを入れていく
  • Stocks and shares ISAに32,000ポンド、Lifetime ISAに8,000ポンド入れていく
  • 自分名義は個別銘柄を含むポートフォリオをDIYするためのInteractive Brokersを使う
  • 妻名義はシンプル&放置を目指してVanguardの毎月定額積立を使う
  • Lifetime ISAはStocks and Shares LISAを使ってCash LISAの3%に勝つポートフォリオを組む
  • Stocks and Shares LISAの業社は未定。AJ Bellかな?
  • Stocks and Shares LISAのポートフォリオは未定

さいごに一言

せっかくイギリスに移住したんだから、投資家としてISAを使わないという選択肢はないでしょ!ということで、ISAについて書いてみました。日本のNISAも来年からかなり改善されるみたいですが、本家のISAはやっぱりすごい。Stocks and shares ISAとLifetime ISAを使って資産形成して良き人生にしていきます。

そして、いつかはロンドンに家を買いたい!


  • 朝食:ショートパスタを使った暗殺者のパスタ(作り置き)
  • 昼食:目玉焼き、炒めたマッシュルーム、ピーナッツバター+ジャムを塗ったパン
  • 夕食:(これから準備する)